Hokkaido Local Social Studies

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齋藤 征人

2026.03.05
齋藤先生

社会と向き合う学びの入り口

人口減少や少子高齢化が進む中で、地域社会が抱える課題はますます多様化しています。私は、さまざまな地域に出向き、地域生活課題に触れる中で、誰もが安心して暮らし続けることができる地域社会をつくるためには、分野や立場を越えた連携・協働が、これまで以上に必要になってきていると実感してきました。

地域に一定期間滞在し、現場での仕事や暮らしに関わるインターンシップは、学生にとって大きな学びの機会となります。生まれ育った環境とは異なる文化や価値観をもつ人々との交流や学び合いは、座学での「計画」をはるかに超える、想定外の体験を与えてくれます。

「学びの始まる場所」で起きる変化

「なぜ実習に行って帰ってくると、あんなに学生たちは満足し、成長するのだろう」。実習教育に関わる教員であれば、一度は感じたことのある疑問ではないでしょうか。学生たちの、普段教室で見せることのない現場でのキラキラした表情に触れるたびに、主体的に学ぶための環境とは何かを考えさせられます。

ある地域で、「この実習が『学びの始まる場所』であっていい」という言葉を聞いたことがあります。決して楽ではない環境の中で、学生たちは地域の方々と向き合いながら過ごし、自分自身と向き合っていきます。その経験は、あらかじめ用意された学びをなぞるものではなく、主体的な学びのスタート地点となっていきます。

地域体験を終えた学生たちは、「自分が変わった」と実感しながら帰ってきます。私は、学生が自身の変化を感じ取れることこそが、実習やインターンシップの最大の成果であり、学びの確かな証しだと考えています。

地域と学生が育ち合うインターンシップ

本事業のインターンシップもまた、地域の暮らしに入り込み、人と関わりながら学ぶことを大切にしています。主体的に学ぶための豊かな環境や仕掛けを用意して、学生たちを迎え入れてくださっている受け入れ地域の知恵と工夫にも驚かされました。

専門職養成の実習とは異なり、必ずしも事前学習が十分な学生たちばかりではありません。しかし、学生たちを歓迎する受け入れ地域のあたたかな包容力と教育力で、学生たちはたくさんの気づきと、まるで地域の宝物のような学びをいただいています。地域が学生たちに学んでほしいことを存分に提供することで、学生たちは、教室では得ることができない学びを五感で吸収し、帰ってくるのです。このような地域と学生の両者にとってWin-Winになるインターンシップは、お互いが、受け入れ地域の魅力を再発見する機会になるとともに、地域で活躍したいと思う若者たちの拡大にも、少なからず資することでしょう。

地域での暮らしを丸ごと楽しみながら地域に学ぶ、専門職養成の実習とはひと味違うこのインターンシップの不思議な魅力に、ぜひ多くの学生や教員の皆様にも実感していただきたいと思います。

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